10倍払っていただける価値提案を創るために想定外=Beyond Expectation Gainを最上級に置く
「お客様に選ばれるために、付加価値を高めよう」という号令が降りてきた。
さて、どうしよう・・・そう簡単ではないですよね?
ついつい、機能追加やグレードアップを想起してしまいがちです。
たとえばPCや家電の場合、メモリー倍増とか、HDD容量とか、日本のかつてのガラパゴス携帯「全部入り」とか、・・・
そうじゃない、それがバリュミューダ流の製品開発であり価値提案の創出法だと、創業者の寺尾社長がメディアに語っています。
(引用ココカラ)>>>>>
付加価値と簡単に言うけど、単なる機能の追加ではとても10倍のお金は払わない。我々の発想は全く違う。トースターなら最高のトーストを、扇風機なら自然の風と同じ本当の涼しさを届けたい。他のメーカーはパン焼き器だけど、我々は素晴らしい朝食を届けたいと考える。そんな考え方が受け入れられているのではないでしょうか
>>>>>(引用ココマデ)
コモディティ化している「トースター」にどんな機能を持たせるか、といった議論をいままで通りに繰り返しても、破壊的なアイデアはなかなか出てきませんよね。
あるいは「カスタマージャーニーマップだ」と意気込んで描いたとしても、せいぜい「予約機能で、起床時間に合わせて焼きたて」とか「掃除がしやすい」とか、「キッチン一部として収納可能」といった、機能やデザインのインクリメンタルな改良改善どまりでしょう。
そこで、ちょっと妄想を膨らませるのです。
「トーストなら最高のトーストを、もっと言えば、最高の朝食を食べて、最高のパフォーマンスを発揮できる1日こそが、グローバルに活躍するビジネスパーソンに相応しい」
つまり、期待を超える(Beyond Expectation)価値を提供することで、顧客が達成できる成果が最大化、さらに想定外の成果を得られるとしたら・・・
バリュミューダ流に言えば「最高の朝食を食べて、最高の1日を過ごせる」というJobを実現するために、どんな体験を提供すべきか、…というところに思考が及んだのでしょう
(さらに引用ココカラ)>>>>>
「朝食も同じ。今よりおいしければ笑顔になり、一日が変わるよなと。じゃあすごくおいしくすればいい。そこからはみんなで資料を徹底的に調べ、温度や時間、焼き目ができるメイラード反応の原理をもとに実験を繰り返した。壁にあたったときに、たまたまどしゃぶりの日にバーベキューをして炭火でパンを焼いたら、すごくおいしかった。それで水分が大事とわかった。最適のスチームと温度制御が分かるまで仮説、実験の繰り返し。製品開発の9割は実験ですよ」>>>>>(引用ココマデ)
示唆深いですねー。
21世紀のビジネスパーソンが避けるべき「No market needs(顧客が欲しがらないものをつくってしまう)」の対極をいく「最高の、感動させられるような顧客体験を提供する」。
製品やサービス開発に行き詰まり、閉塞感を打破できないならば、ぜひ顧客のJobが達成した結果えられる最高の体験を、想像(妄想)してみませんか?
格言:
Beyond Expectation Gainを最上級におくと、10倍でも払っていただける価値提案が生み出せる
*バルミューダ、感動体験を売る〜家電ヒットの極意 創業者・寺尾玄社長に聞く(日経産業新聞 コラム 2019/6/22 4:30)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46395760R20C19A6X13000/?fbclid=IwAR2_xOJlZFQdlv1YSqUzS0HQqb18oSNPp8ygn3vQd9jUywLtOM5KaXzNq08