当事者意識とは「本気度」の切実さと深さ
イノベーター(候補)の皆さん、残暑お見舞い申し上げます。
突然ですが、…
Why do you want to start innovation?
課題・不安・期待…業界も立場も業務も全く違うにも関わらず、BMIAの会員さんや講座に参加される方の目的やJobs/Pains/Gainsは多くの共通点があります。
(7/28ビジネスモデルコンサルタント基礎講座の参加者に冒頭でお伺いしました)
最も大きなPainsの一つ(自身も切実です)は、上司や同僚の「当事者意識」です。つまり、この人は自身のJobにどこまで責任を持って取り組もうとしているのか?
本気度が全く見えない・・・。
最近、ようやく複数のスタートアップとの取り組みを開始しています。当然ですが、FORTHの教えに則り、使命の共有や成果物、判断基準の事前の明確化を行なっていますが、このプロセスにおいて意識のGAPが浮き彫りになりました。少々長くなりますが、二つの話を共有させてください。
一つは「スピード感」。
大企業におけるスケジューリングや活動のインターバルと、スタートアップのそれらには大きな隔たりがあります。自身BDO(Business Design Officer)として、スタートアップのように実験的風土を醸成することも大きなミッションであるため、GAPのすり合わせには最新の注意を払って進行しています(が、それでも大企業の社員やシステムはのんびりとしていて時間がかかりまくりで、ヤキモキしますが・・・)。
そしてもう一つの大きなGAPが「当事者意識」。
あなたは仕事で何を実現したいのか? あなたの仕事によって、誰がHappyになるのか? どんな世界になれば最高なのか? スタートアップの個々人は、明確な当事者意識と目的を言語化できています。大企業の社員にはないビジョンやパッションの持ち主です。
一方で、大企業の社員は自身の業務の目的、誰が顧客なのか、全く分かっていない。
話がそれますが、採用グループ支援の一環で「インターンシップ」をサポートしています。昨年は業界初で「ビジネスモデル・キャンバス」体験会を投入。さらにこの8月は、社員の業務紹介にバリュー・プロポジション・キャンバスのエッセンスを元にしたテンプレートを使うことにしました。
ところが、バリュー・プロポジション・キャンバスを描いても、コンセプトを言語化してみても、顧客の本質的なJobs/Pains/Gainsに辿り着かない・・・。
なぜ、その顧客はその業務を遂行したいのか? しなければならないのか? どうして、自動化できないのか? なぜ、面倒なことを面倒なままにしていて、嫌ではないのか?
自分たちのPainを(再)認識させられつつ、顧客側を観察し深掘りしてみても、実は同様の疑問が浮かび上がります。
先月のNewsPickの記事で示唆深い内容があったので、要約すると・・・
私が声を大にして指摘しておきたいのは、「目的思考」でない日本人が多すぎる。やりたいことがあって、環境がそれを阻むのであれば、抜け道、越える道、工夫する道など「目的」を変えずに環境を変える方法を考えるはず。そうでなければ、その人は自分の周囲の世界をたった1ミリだって変えることはできない。
ところが、特に大企業に居続ける社員の大半が、環境でなく目的を変える思考方法になってしまっている。実際、彼女・彼らは賢いし頭の回転も速いが、目的に合わせて環境を変えるのではなく、環境に合わせて目的を変える。そして言い訳することが当たり前になっている。
「だって、状況がこうだから仕方がない、自分のせいじゃない」と他責にすることで小さなプライドを無意識に守ろうとしている。
(NewsPicks記事「【堀江貴文×森岡毅】世界を変えるなら「目的思考」が必要」より抜粋 https://newspicks.com/news/4043256/body/)
—-ココが実は、非常に重要であると考えます。たとえば、われわれ製薬・ヘルスケア業界の内側の大企業人は、まだまだ非常に悠長で呑気だと言わざるを得ません。グローバル化、GAFA・BATの侵攻、テクノロジーによる急速な社会・法規制の変化に、全く追いついていません。にも関わらず、「自動化が進まない」「医師と会えない」「薬価が下がる」等々、環境のせいにしているだけで行動を起こす思考が皆無なのです。
顧客のVPCを描きながら、自社の不甲斐なさ、そして本当の「当事者意識」を炙り出すために、何をすべきかを考えさせられているという近況報告でした。
さて、・・・大きな組織内のダイナミクス、どのようにコントロールすべきか?
特に下記のようなお悩みがありませんか?
1.イノベーションの混沌とした始まりをどのように構成するか?
2.イノベーションの障害を克服する方法とは?
3.適切な開始のタイミングを選ぶには?
4.役員・上司 の期待にどのように対処するか?
5.組織内部の支援と潜在的な顧客からのサポートをどのように受けるか?
6.最適なイノベーションの行程を選ぶ方法とは?
7.どうやって成功確率を上げるか?一つでも当てはまるものがあるならば、夏休みの終わりに宿題を片付けてしまうチャンスです。