みなさま、こんにちは。
令和最初の夏の終わり、どのようにお過ごしですか?
さて、今回は去る7/26に開催されました「ビジネスモデル学会イブニングセッション」からイベントレポートをお届けします。
ビジネスモデル学会 第19回イブニングセッション
「ビジネスモデル・ビジュアライゼーション」
近藤哲朗(株式会社そろそろ代表取締役)
小山龍介(ビジネスモデル学会プリンシパル/株式会社ブルームコンセプト代表取締役/BMIAシニアアドバイザー)
『ビジネスモデル2.0図鑑』(KADOKAWA 2018年)著者:近藤哲朗氏と、
『ビジネスモデル・ジェネレーション』(翔泳社 2012年)翻訳者:小山龍介氏。
ビジネスモデルの可視化についてそれぞれのアプローチをするお二人の興味深い対談です。
1990年代にビジネスモデル特許が注目され2000年代は競争優位をつくる上で注目されました。
ビジュアライゼーションツールとして、世界では、
ビジネスモデルキャンバスをアレックスオスターワルダー、イブピニュールがつくり、
日本では、近藤哲朗氏がインターネット上でビジネスモデル図解をセンセーショナルに登場させました。
まずは、近藤氏のお話から紹介します。
近藤氏いわく、はじめは、個人的な趣味で行っていたものを、インターネットに公開していたら話題になったのだそうだ。
ビジネスモデル図解とはそのビジネスは誰が(何が)関係しているかを可視化することを目的としている。3×3のマス目で記述する事をルールとし、
出典:近藤哲朗氏資料
エレメント、コネクタ、オプションを使いその関係性を図式化する。
出典:近藤哲朗氏資料
またその領域自体も意味を持っている。
ビジネスモデルは利用者にとって、提供者にとっての経済合理性をはかるものであった。
近藤氏が、新しく出す本では、ここから進んだ変化が激しい時代、多様なステークホルダーがいる時代のビジネスモデル2.0を定義している。
近藤氏は
ビジネスモデル1.0 儲けのしくみ
ビジネスモデル2.0 社会性と創造性が含まれる
と定義している。
出典:近藤哲朗氏資料
創造性
逆説の構造が大事
定説と逆説のギャップがあるほどインパクトがある
社会性
八方よし
どこかを犠牲にして成り立つビジネスが継続しにくい
※鎌倉投信が提唱
ビジネスモデル2.0はSBCが入っていないと事業の継続性が難しいことを提唱している。
さて、代わって今度は、小山氏から。われわれがいちばん気になるところから話はスタートしました。
ビジネスモデル・キャンバスとビジネスモデル図解は何が違うのか?
どこで、使い分けるのか?
出典:小山龍介氏資料
ビジネスモデルとは、アーキテクチャーレベルにおいて戦術実行の為のブリッジである。
このようにビジネスモデルの全体が図示されていることをビジネスオントロジーというが、ビジネスモデル・キャンバスとビジネスモデル図解の違いは
ビジネスモデル・キャンバスはBeingであり、
ビジネスモデル図解はDoingに近いもの
と言える。
つまりプランニングに近いのがビジネスモデル・キャンバスでありビジネスプロセスに近い場所ではビジネスモデル図解が有効と考える。
ビジネスモデル・キャンバスにおいてAmazonのビジネスモデルを描くと、ヨドバシカメラとの違いが分からないものになる。実際は、Amazonの売り上げは、1兆円を超え、ヨドバシカメラは1千億円と10倍の差がある。
こういった場合、ビジネスモデルキャンバスを一歩踏み込んで使うと理解がしやすくなる。
出典:小山龍介氏資料
ビジネスモデル・キャンバスに自己強化ループを組み込むことで、事業のスケールを表すことができ、それにより先行者優位を維持でき、競争戦略を明確化できる。
これこそが、事業のスケールの差となる。
出典:小山龍介氏資料
これは、楠木建先生が提唱されるところの競争優位の階層においてのLV3を表したことになる。
個人的には、ビジネスモデルという構造化について、それをビジュアライズして理解する事に真の醍醐味や面白味があると思っています。
それはリアルケースにおいて自分の思い通りにもしくは、良い意味で想定外に9つのブロックが有機的につなっがていく様を目の当たりにする(脳内遊戯であはるが)ことだと思います。この対談は下記リンクにさらに詳しくレポートされていますので、ご興味のある方は是非ご一読ください。
ビジネスモデル創造の図解術と、新しいエコシステム・フレームワークを求めてー近藤 哲朗・小山龍介対談『ビジネスモデル・ビジュアライゼーション』(1)~(3)
https://note.mu/bloomconcept/n/n847a2b8f3a53
https://note.mu/bloomconcept/n/n24a34d20cf88
https://note.mu/bloomconcept/n/n8537c8e8a2eb
文責:國井誠