あれから4年ヘルスケア業界はどう変わったか?その②
未来を見ながら作る医療制度
2017年にBMIAヘルスケア分科会において行われた『ヘルスケアビジネスモデルイノベーション2017』では、4人の医師に登壇頂いきました。本当に豪華すぎるそして、この4人が並び、ビジネスモデルについて語るという今後も実現しないであろう貴重なイベントとなっています。
ここでは、2017年時点での医療の課題とイノベーションの余地について語られました。今現在(2021年8月)佐々木先生は、コロナ禍において在宅診療にて自宅療養中の患者を24時間体制で構築する為に日本医師会と協力体制を構築しています。
佐々木先生は超高齢化社会において在宅医療が中心となるという未来に対して、そこで生じるであろう物理的効率性の悪さをシステムで解決したわけですが、その先見性は今回のコロナ禍の東京の医療の救世主となるかもしれません。
こういった、未来に対する打ち手を大胆に打っていく事は、今回のような想定外の事態に対しても効果を発揮する好例といえます。
逆に医療制度は、オンライン診療、医療データの集約、病床数のマネジメント全てがこの頃から進んでいません。
医療は確かにミスをしてはいけない事が前提になります。そのミスは、人の命に直結しますので、その考え方は正しいのです。だから、ガイドラインなどマニュアル化するし規制も厳しくしていきます。しかしながらそれが動きにくい業界構造を作っている事は確かです。
とはいえ動きにくいから動かないというのは、理由にならない。このようにその中でも動いて変革を成功させている人々はいます。
政府や都は、この1年半何もしていなかったという批判は、擁護する声もありますが、当然の評価と考えます。
この1年半がんばったのは、国民です。
その上で更に自粛しか訴えられないこの惨状、今の政府や都政が災害そのものなのではとも思ってしまいます。
現在もコロナ感染とその対応に四苦八苦していますが、コロナ禍が収まった後の世界を具体的に構想し手を打ち始めている人がいるのでしょうか。もう動いていないと遅いくらいであります。
理事 國井 誠