ビジネスモデルとビジネスプラン
みなさん、こんにちは、理事の岡田明穂 in Osakaです。
今回は、基本に立ち返っての話題。
「ビジネスモデルとビジネスプランは、どう違うんですか?」
と問われたら、皆さんは、なんと回答なさいますか? それでは、10秒以内で、簡潔におこたえください。
チチチチチチチチチチ…ピピピ・ピピピ(時計の音のつもり)
いかがでしたでしょうか? うまくご回答いただけましたでしょうか?
意外と難しいですよね。
日頃、ビジネスモデルキャンバスを活用している私たちからすると、「ビジネスモデル」と「ビジネスプラン」が異なる概念であることはあまりにもあたり前のことですが、それでも、あらためて「言語化してください」と言われると……案外とまどう面もあるのではないでしょうか。
ということで、この際、「ビジネスモデルとビジネスプラン」について、整理してみましょう。
まず、「そもそもビジネスモデルとはなんぞや? ビジネスプランとはなんぞや?」について、考えてみましょう。
「ビジネスモデルとはなんぞや?」については、このメルマガを読んでいただいている方は、空で言えますよね。BMIA流定義は、
- どのように価値を創造し顧客に届けるかを論理的かつ構造的に記述したもの
ですね。ご存知、『ビジネスモデル・ジェネレーション』内の記載をベースにしたものです。
では、ビジネスプランについては、どうでしょうか。これについては、個々人ごとに見解は異なるのかもしれませんが、私たちとしては、やはり『ビジネスモデル・ジェネレーション』に記されている知見をベースにするのが妥当でしょう。
同書には、ビジネスプランの定義としての明記は見あたりませんが、関連するものとして、下記の記述があります。
- (ビジネスプランの)目的は、そのプロジェクトがどのように実行できるかを記述し説明するもの。潜在的な投資家や内部のステークホルダーに対して、プロジェクトを「売り込む」という動機が潜んでいることもあります。
わかりやすく言いかえると、「投資家・金融機関をはじめとした社内外の利害関係者に対するプレゼンテーション・説明資料」ということでしょうか。
これら、そして、その他の文献や実務家・研究者の知見も参考にし、私は、下記のように両者を区別して、ワークショップ等でご説明しています。
- ビジネスモデルは、ビジネス自体の核となる仕組みであり、ビジネスモデルデザインは、その核を考え、“創る”プロセスであり、“進化”させるための、日々進行形の動的アクション
- ビジネスプランはそのビジネスを、どうやってやっていくかの予定を記した“説明”ツールであり、ポイントどころの静的アクション
10秒で答えるには、ちょっと長いかもしれませんね。で、もっと簡潔にして、下記のように表現することもあります。
- ビジネスモデルは事業の核となる仕組みであり、ビジネスプランは、そのビジネスモデルを核とした事業を、どうやってやっていくかを(金融機関等に)説明するためのプレゼン資料
加えて、このようなスライドも、このところよく使っています。
これらは、あくまでも私個人としての解釈であり、みなさんの中には異なる見解をお持ちの方は無論いらっしゃるとは思いますが、完璧とまではいかなくとも、まずまずの線までには至っているのではないかと自惚れています(笑)。
いずれにしろ、大切なことは、ビジネスモデル(デザイン)とビジネスプランとでは、主たる目的も主機能も違うので、それぞれに最適な組み立て方法も、必要な視点も異なるということをきちんと理解し、適切なシーンで、適切に使い分けることなのでしょう。
その「最適な組み立て方法/視点、適切なシーンの違い」については、また別の機会に。
それでは。