15%のZを後押しする
つい最近新年のご挨拶をしたと思っていましたが、あっといまに3か月が過ぎようとしています。
さて、そんな時間の流れが速い(私が年齢を重ねただけということはひとまず置いておき)2019年、世界では大きな人口構成の変化が起きています。
日本では、少子高齢化の問題が叫ばれていますが、世界ではジェネレーションZが人口構成の30%を超えマジョリティーになります。
ジェネレーションZは、1995年~2010年生まれの世代で、デジタルネイティブと呼ばれたミレニアル世代の次の世代として、生来のデジタル依存度が高い世代です。
一般的に、Z世代はテクノロジーを使いこなし、オープンマインド、個人主義的だが、社会的な責任にも敏感という特徴があるそうです。具体的な行動の違いとしては、ミレニアル世代がFacebookを頻繁に使うことに対して、Z世代はインスタやスナップチャット(日本ならTicTokでしょうか)を使うなどがあげられます。
コミュニケーション方法の変化(たとえば西尾維新の作品のように)、短い時間に多くの情報のやり取りを行うようなコミュニケーションが体に染みついている世代です。私は、IT業界にいますので、TikTokなどさまざまなトレンドウォッチをしているのですが、正直、TikTokなど速すぎて意味が分からないことも多々あります。
こういった価値観の大きな変化は、さまざまな業界に大きな影響を与えると言われています。消費者としてもそうですが、新しい価値観によるこの世代が起こすイノベーションにも期待したいところです。いずれにしろこれからの世界をけん引する世代ですが、日本では少子高齢化によりその人口構成比は15%にしかならないとのことです。
日本において、この世代の発言や社会への影響力が小さいままになることを少し懸念しています。40代、50代はこの世代をしっかり受け止め、伸び伸びと活躍できる社会を作ることが使命ではないかと考えます。
昨年末にNHKで東京再開発を2019年を舞台に描かれた「AKIRA」をモチーフに放映された「東京リボーン」を監修した大友克洋さんは、これからは若い世代が、新しい東京を作っていくべきだし、そうでないといけないと語っています。
超高齢化で人生100年時代が叫ばれるなか、第2の人生に不安を覚えている50代、60代が増えています。
BMIAシニアアドバイザーの多摩大学教授 紺野登先生は、
『イノベーションに必要な主観力は、共感により自分の中に映り込んだ他者との対話より生まれる』
とおっしゃいます。
「自分の心配」から、「世の中」へ目を向けることができるか。結果的にそのことが自分を救うのかもしれません。少子高齢化社会を支えるのは若い世代なのです。
彼らの負担が大きくなりすぎないようにするにはどうすればいいのか。彼らが活躍するために、自分たちは何ができるかを創り出すこと。これもBMIAの目的とひとつとなります。
文責 國井 誠